”ノートルダム大聖堂”で認識していましたが、一般には”ストラスブール大聖堂”と呼ぶそうです。 ”ノートルダム”とはフランス語で”我らの貴婦人”という意味があり、聖母マリアのこと指しています。フランス語圏では聖母マリアの為に捧げられた教会には名前に”ノートルダム”がつくようです。 有名な”パリのノートルダム大聖堂”の他にも多くの”ノートルダム”の付いた教会や建造物が世界各国にあります。
ノートルダム・ド・ストラスブール大聖堂(Cathédrale Notre-Dame-de-Strasbourg)
ストラスブールで最も人気の観光スポットといえば、ストラスブール大聖堂。
ストラスブール大聖堂はゴシック建築の代表作として有名ですが、この教会の興味深いところは2つの建築様式(ゴシック様式とロマネスク様式)が用いられているところです。
それでは紹介していきます。
外観
外観はゴシック建築の代表のような造りになっています。細かく複雑な造りで重厚感があり、写真でみても陰影がはっきりしていて、まるで絵画のようでもあります。
内部
ステンドグラスや彫刻が目立つので一見ゴシック様式のように見えますが、内部にはロマネスク様式が取り入れられている場所があります。
祭壇
こちらのクワイヤの部分はロマネスク様式になっています。
祭壇は壁で覆われ上部はアーチ型になっており、ロマネスク様式の特徴があります。
※クワイヤとは教会の祭壇と祭壇につながる中央の通路の部分を指します。
正面のステンドグラスには聖母マリアが描かれています。
室内の暗さもありますが、こちらの写真では壁に覆われたステンドグラスの聖母マリアがひ際立って見えます。
ステンドグラス(Les vitraux)
中に入ってまず目に入るのが、うす暗い部屋に光り輝くステンドグラスです。
両側に広がる全てのステンドグラスにはストーリーがあり、聖書にまつわる絵が描かれています。
バラ窓(La Rosace)
祭壇の向かい側上部には植物の穂をイメージしたバラ窓があります。ゴシック様式の教会にはこのバラ窓が使用されていることが多いようです。
パイプオルガン(Orgue)
壁の上方にある、こちらのパイプオルガンは1385年に完成。(中のパイプは1981年に入れ替えられています。)
パイプオルガンの下についているこちらの部分。英語やフランス語で調べるとペンダントと表記がありました。ぶら下がっている部分という意味でペンダントと呼ぶようです。英語の勉強になりました。
このパイプオルガンのペダルにはレバーが接続されており、演奏時にはこの男性の手の部分が動き、ライオンの口を開け閉めするみたいです。
気になるのはこのパイプオルガンの鍵盤はどこにあるのでしょうかパイプを入れ替えており現在も使用できるとは思いますが、どこで演奏されるのか謎ですね。
祭壇に向かって右側にもパイプオルガンがあり、普段はこちらのパイプオルガンが使われているようです。
説教壇(Chaire)
複雑に彫られているゴシック様式の説教壇。
十字架に架けられたイエス・キリストと聖母マリア像や使途たちが彫られています。
以前はイエス・キリストが緑色の光りに照らされており、その光景が有名だったそうですが、今では見られません。
天使の柱(Pilier des anges)
天文時計のすぐそばにある、天使の柱には”最後の裁判”が表現されています。
上段にはイエス・キリスト、中段には天使、下段には使途がいます。
オリーブの山(Le Mont des Oliviers)
公式ホームページによると、後方には中世の町が見て取れます十字架に架けられているイエス・キリストは左側にいる天使と対話しており、その足元には柵と中世の鎧をまとった兵士。さらにその下にはエルサレムの町に3人の使徒。後方には中世の美しい町が彫られているそうです。
ただ見るだけでなく彫刻の内容を知ると、とても意味のあるものに感じます。
天文時計(Horloge Astronomique)
1842年に完成されたストラスブール大聖堂の天文時計は世界最大の天文時計の一つとされています。
この天文時計は時刻だけでなく、曜日や月、ストラスブールの太陽時、太陽の周りの惑星、月の満ち欠けもわかる仕組みになっています。
この時計には仕掛けがあり、12時30分に人形たちが動くようになっています。
大聖堂は一般公開されているので誰でも予約なしで無料で入れます。
その他
聖母マリア像が神々しく輝いて見えます。
拝観時間と注意事項
拝観時間
月曜日~土曜日:午前8時30分~午前11時15分、午後12時45分~午後5時45分
日曜日、祝日:午後2時~午後5時15分
営業時間については公式サイトでは上記で記載されているのですが、他のサイトだと時間が違うのでご自身でご確認いただくのが良いと思います。
公式サイトはこちら→Cathédrale de Strasbourg
注意事項
入口でセキュリティーチェックがあり、カバンの中を見せる必要があります。
服装についは厳しく、露出の激しい服装をしていると入場できません。
・スカート、タンパン、キャミソール、タンクトップなどはNG
・男性は帽子や被り物は外す
※私は服装規定を知らずに当日は短パンをはいていたのですが、膝から上を隠すように上着を巻くことで入れました。
中は写真撮影は可能ですがフラッシュ撮影は禁止となっているので、撮影の際はお気を付けください。
ノートルダム大聖堂の塔に登ることもできます。こちらは有料です。
まとめ
歴史ある教会だけあって、年月と共に色変わりした外観の陰影が造り出す深みがとても芸術的でゴシック建築の中でも印象に残る外観だと感じました。
室内も見どころ満載です。展示それぞれに意味があり、とても興味深いです。
私のお気に入りはステンドグラスです。室内に入ると一番に目に入りますし、ストーリー性がある絵を目で追うだけでも時間を忘れるくらい見入ってしまいます。
ストラスブール大聖堂に訪れる時は事前に大聖堂について勉強しておくと、より楽しめると思います。
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